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BR二次。習作第2弾。
貴子とすぎむ。
貴子とすぎむ。
貴子は美しい。
それは三村に力説されるまでもなく、新井田に睨まれるまでもなく、当然自分が1番理解していると、弘樹は自負していた。それが女性として見ているかという話とは別問題である、というだけだ。
そこらの雑誌やら流行のドラマやら、弘樹が読むような本にさえ、時たま幼馴染みの恋愛が描かれている場合がある。これには王道というものがあり、大抵成長して自分の背が彼女より高くなったり、彼女の身体が女性らしくなっていったりで意識し始める、というのがパターンのようだ。
いつもそこで自分と貴子を振り返るのだが、ああやっぱり違うなと、貴子が聞けば失礼だと怒り出しかねないような結論に至って納得する。
何故かと聞かれても答えようがないが、弘樹にとっては違うのだから致し方ない。
それを三村や七原辺りは贅沢だとわめき、新井田なんかは明らかに喧嘩腰で突っ掛かって来る。まぁ新井田の場合は、黙って見返すだけで何事かもごもご言いながら去っていくので余り実害はないのだが。
ありがたくもない友人の好意により、時たま所謂エロ本というものが回ってくる。主犯格曰く、「お前はもうちょっと女に興味を持たないと危ない」と言うが、興味を持ち過ぎて生傷耐えないやつには言われたくないと、少しばかり思ったりもする。
弘樹だって普通の、健全な中学生男子である。そういう本を読めば当然そういう想像をする。そしてこれまた貴子が知れば怒り狂いそうな話ではあるが、その際どうしても1番近くに居る女性を真っ先に思い浮かべてしまう。
しかし、弘樹の想像の中でも、いや中だからこそ貴子はいっとう美しく、大人しく自分に組み敷かれる姿など思い浮かびもしない。いつも彼女は自分の上に乗り、いつもと変わらぬ強かな笑みを浮かべて自分を見下ろす。そうして弘樹は、想像の中でいつもああやっぱり、と溜め息をつくのだ。やっぱり貴子は綺麗だな、と。
そうしていつも、弘樹の想像は覚めていくのだ。
抱き締めた貴子は細かった。そしてとても軽かった。
もう笑わないし、馬鹿ねと溜め息もつかない。
守りたかった訳ではなかった。共に闘いたかった。
そうしたらきっと、抱き合う事はなくても、背中を預けてもらえるくらいにはなれると思っていたのに。
なのに、結局追い付けなかったんだな。
抱き締めながら思う。やっぱり貴子は綺麗で、
「世界で1番、かっこいい女だ」
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コメント
1. ううう…
杉貴のも、川田のも。心のどこか一部が火傷しそうに熱くなるような、そんな感覚を覚えます。
こうして戻ってきてくれて、本当にありがとう。
また読めてとても嬉しいです。
2. かやさん>>
何だか照れちゃいますね(〃▽〃)
完全に戻って来た、といえるかどうかはまだ自分でも良く分からないんですけど・・・
前のサイト以上に自分のペースで、気が向いた時に、こっそり何か書いていくと思います。
なので気長な目で見守ってくださると嬉しいですvv